歯を失った時の治療「インプラント」
- 2026年4月24日
- 医療コラム
こんにちは。
自由が丘の歯科医院 セルサスデンタルクリニック東京です。
症例紹介でご紹介しているように、歯を失った時の治療法としてインプラント治療を選択される方がいらっしゃいます。
しかし受診される方の中には、歯医者におけるインプラントの治療方法・他の治療との違いやメリット/デメリットなど、まだまだ不明な点が残る方もいらっしゃるような印象です。
今回は、そんな歯医者のインプラント治療についてのお話です。
目次
- そもそもインプラントとは?
- インプラント治療の流れ
- インプラントと他の治療の違い
- インプラント治療のメリット/デメリット
- インプラント治療が怖い方には
そもそもインプラントとは?
インプラントとは、厳密には人の身体に埋め込む人工物のことを表し、歯科診療に用いられるインプラントは、「デンタルインプラント」と言います。
ただ近年、歯科におけるインプラント治療が普及してきたため「インプラント=デンタルインプラント」と認識されていることがほとんどです。
歯医者で行うインプラント治療とは、下の画像のように歯を失った部分の骨に歯の根の代わりとなるネジのようなものを埋め込み、その上にセラミックなどで作ったダミーの歯を取り付ける治療となります。

インプラント治療の流れ
では実際のインプラントの治療の流れについてお話します。
スタンダードな治療の流れ
インプラント 1次オペ
上の画像のネジのような部分はFixtureと呼ばれます。このFixtureを骨の中に埋める処置が1次オペです。
1次オペの際に抜歯とFixtureの埋入を同時に行う場合もあり、この場合は抜歯即時埋入と呼ばれる手法となります。
必要に応じてFixture周囲に人工骨を入れたり、糸で縫合をする場合もあります。
インプラント 2次オペ
1次オペ終了後、Fixture周囲の骨の治癒を待つ時間が3~4か月程度あります。
骨の治癒を確認後、必要に応じて2次オペを行います。埋入したFixture周囲の歯ぐきの形態を、インプラントの歯の頭にあたる部分が取り付けられる形に整えます。
インプラント 印象採得
2次オペ後、2週間前後で歯ぐきの形態が整ったことを確認し、歯の頭の部分(上部構造と呼ばれる部分)を製作するための型取りを行います。
当院ではインプラントの印象採得の場合、口腔内スキャナを活用した型取りを中心に行っておりますが、症例に応じて粘土のような材料を使用した型取りを行う場合もあります。
インプラント 上部構造セット
印象採得によって得られた情報をもとに出来上がった歯の頭に相当する部分を製作し、1次オペで埋入したFixtureと呼ばれる部分に取り付けます。
必要に応じて追加する治療
歯の無い期間が長い場合、骨が吸収されインプラントのFixtureを埋入するために必要な厚み・深さが不足している場合があります。
歯が残っている部分でも、歯を支えている骨が多く吸収されている場合は、歯を抜いた部分が大きな穴となってしまい、抜歯と同時にFixtureを埋入できない場合もあります。
このように、埋入予定部位の骨の量が不十分である場合は、骨造成という処置を行う必要があります。
骨造成の中にも種類がありますが、必要に応じて人工骨を入れたり、入れた人工骨を保持するために人工骨の上にメンブレンと呼ばれる膜なようなもの置いたり、上の奥歯に対して行うサイナスリフト/ソケットリフトという方法があったりと、様々な処置を必要に応じて行います。
その他の追加治療として、上部構造セットの前に仮歯を入れて様子を見る場合や、サージカルガイドと言ってFixture埋入位置や角度を埋入時に補助するの器材を作成する場合などもあります。
また治療の流れとして、Fixture埋入と同時に仮歯や上部構造等のセットまで行う即時荷重と呼ばれる処置を行う場合もあります。
インプラントとその他の治療の違い
虫歯や歯周病で歯を失った場合、その後の治療として、インプラントの他にはブリッジや入れ歯が挙げられます。
それぞれの治療について少しお話します。
ブリッジ
ブリッジは、入れ歯と比較すると装着後の違和感が少なく噛む力もある程度保つことが出来ます。無くなった歯の位置によってブリッジを適応できない場合もあります。
ブリッジは、下の画像のように土台となる歯を削り、歯の無くなった部分にダミーの歯が入るように橋渡しのつながったかぶせ物を装着する治療です。
保険診療でも対応が可能で、その場合ブリッジすべてが銀歯となることもあります。自由診療でセラミックのブリッジを選択することも可能です。

入れ歯
入れ歯は、下の画像のように残っている歯にバネなどをかける、取り外し式の装置です。ブリッジと比較すると残っている歯を削る量は少なくなりますが、噛む力はブリッジに劣る傾向にあります。
また、ブリッジやインプラントに比べて大きな装置なので、初めのうちは装着時の違和感が大きいことも特徴の一つです。
保険診療でも対応可能で、歯が全てなくなった場合にも選択できる治療方法です。自由診療にて、バネの目立たない入れ歯や金属を活用した厚みの薄い入れ歯を作成することも可能です。

インプラントと比較した入れ歯・ブリッジの共通点
- 保険治療を選択した場合、負担額を抑えることができる。
- 残っている歯にかかる負担力が増える。
- 歯が無くなった部分の骨が徐々に吸収されて薄くなっていく。
という点が挙げられます。
インプラントのメリット・デメリット
では入れ歯やブリッジなどと比較して、インプラント治療にはどのようなメリット/デメリットがあるのでしょうか。
メリット
インプラントが他の治療と最も異なる点が「他の歯に負担をかけずに治療ができる」という点になります。
ブリッジや入れ歯は失った歯を補うために、残っている歯へ留め金用の溝を作るために削ったり、被せものを作るために残っている歯を削る必要があるからです。
一方で、インプラントは失くした歯の「骨」の部分にインプラント体を埋め、そこにダミーの歯を取り付けるため、周りの歯への負担がありません。
また噛む力は、インプラントの場合、ご自身の歯が残っている時と同じ程度の力を回復させることができます。
加えて、入れ歯やブリッジは失った歯の負担するべき力を他の残っている歯に負担させるため、残っている歯への負担が増加しますが、
インプラントは、残っている歯への負担はほとんど変わらず、インプラント自身が失った歯にかかっていた力を負担します。
そのため、残っているご自身の歯への負担増加を防ぐことが出来ます。
その他に、天然の歯とほぼ同じようなダミーの歯を取り付けるため、審美性が保たれることも大きなメリットにあげられます。
デメリット
インプラント治療は自由診療となるため、保険診療の入れ歯やブリッジと比較すると、治療の負担額が大きくなります。
治療期間が長くなる点をデメリットと捉える方もいらっしゃるかもしれません。Fixtureを骨に埋入後、骨の治癒を待つ時間が必要になり、治療が全て完了するまで平均で5~6ヶ月程度の期間がかかります。
また、顎の骨の状態や全身の健康状態によっては治療が受けられない場合もあります。
インプラントの手術が怖い方には
以上のように、インプラントは失った歯の機能や見た目を大幅に回復できる治療法になります。
しかし、「インプラントは外科手術が必要」「インプラントは骨に穴をあける」などと聞いて不安になられたり、
痛みへの恐怖心からインプラントを治療の選択肢から外してしまっている方もいるかもしれません。
その様な方の場合は「静脈内鎮静法」や「笑気吸入鎮静法」の活用が、恐怖や不安を軽減させリラックスした状態で治療を受ける大きな手助けとなるかもしれません。
静脈内鎮静法の場合は最後に血管へ直接痛み止めを入れることで、処置直後の痛みを軽減することも可能です。
当院では、日本歯科麻酔学会認定医が歯科麻酔科医として全身管理を含めた静脈内鎮静法を行います。
インプラント治療をリラックスして受けたいという方は、鎮静法の併用を検討されると良いかもしれません。
監修:阿部響子
セルサスデンタルクリニック東京
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