痛みのない虫歯
- 2026年3月30日
- 医療コラム
こんにちは。
自由が丘の歯科医院 セルサスデンタルクリニック東京です。
ご自身のお口の不具合に気づく時は
「歯が痛くなった時」「口の中に違和感を感じた時」
などの自覚症状からのケースが多いかと思いますが、
実は自覚症状が生じる前からお口の不具合は発生している場合もあります。
例えば「痛みのない虫歯」も存在するのです。
今回はこの「痛みのない虫歯」についてのお話です。
目次
- そもそも「虫歯」とは?
- 痛みのない虫歯の正体
- 痛くなる前のケアでお口を健康に
そもそも「虫歯」とは?
歯医者が定期健診などでお口の中を拝見した際に、「虫歯」を発見し、
その状況をご本人にお話しすると
「痛いところもないのに、虫歯があるとは信じられない」
「今まで虫歯になったことは一度もないので、自分には虫歯がないと思う」
このようにおっしゃる方もいらっしゃいますが
まず、虫歯はどのようにできるのでしょうか。
1:歯に汚れが付く
食事をしたり、飲み物を飲んだりした後
食べ物のカスや飲み物の成分がお口の中に汚れとして残ります。
この汚れを、日々の歯磨きで100%取り除くことは大変難しいため
食後に歯磨きをしていても、お口の中に汚れが残る場合もあります。
2:汚れに細菌が住む
お口の中には平均して250~700種類の細菌が、約1,000億〜数千億個存在し
健康な人でも唾液1mL中に約1億個の細菌が含まれているそうです。
そんなたくさんの細菌の中には「虫歯の原因となる細菌」も含まれています。
この細菌たちの一部がお口の汚れに住み着きます。
3:住み着いた虫歯原因細菌が酸を作りながら増える
くっついた細菌は、食べかすなどの汚れを細菌自身の栄養にして増えていきますが
この過程で、「虫歯の原因となる細菌」は歯を溶かす酸を作り出します。
4:酸で歯が溶ける
プロセス3で作られた酸によって、歯が溶けていきます。
この過程が繰り返されることにより、徐々に虫歯が進行していきます。
虫歯ができる原因はお口の中の汚れと細菌
虫歯ができる原因は「放置されたお口の中の汚れ」と「虫歯の原因になる細菌」です。
最初に虫歯原因細菌たちが増えて酸を作り出すには「細菌の栄養=お口の汚れ」が必要であり
この汚れが放置されることで、汚れをエサに、細菌たちがどんどん増えて歯を溶かしていきます。
また、「虫歯の原因になる細菌」が1個でもお口の中に存在すれば、虫歯になるリスクはあります。
お口の中の平均的な細菌の存在数を考えれば
今まで虫歯になったことが無くても、これから虫歯ができる可能性はあります。
どこかのタイミングで虫歯ができ、できた虫歯を放置すると、虫歯はだんだんと進行していきます。
痛みのない虫歯の正体
ではなぜ、虫歯ができても痛くないケースがあるのでしょうか。
ここから、4つほど具体例を挙げていきます。
「初期の虫歯」
初期の虫歯は歯の表面に発生した、ごくごく小さく浅い虫歯です。
歯の表面から浅い部分には痛みを感じる神経が通っていないため、虫歯が発生しても痛みを感じることができません。
痛みを感じないため「自分の歯は大丈夫」と思ってしまう事も多いかと思います。
しかし、この虫歯を放置した場合、虫歯がだんだん進行します。
しばらく進行して痛みが出始めると、治療も大がかりになる場合があります。
虫歯が小さい段階で治療を行えば、治療期間の短縮や治療費用の軽減にもつながります。
「神経が死んでしまった虫歯」
歯の表面に発生した虫歯が進行すると、その内側の神経が通っている部分まで虫歯が到達します。
この段階でだんだん痛みを感じるようになり、冷たい物や温かい物がしみたり、何もしなくてもズキズキ痛むような状態に進んでいきます。
しかし、ある時点で、感じていた痛みを感じなくなる場合があります。
それは歯の痛みを感じる神経が死んでしまった状態かもしれません。
「最近、歯が痛かったのに、痛みがなくなった!」という経験のある方は要注意です。
虫歯は自然治癒しませんので、かなり虫歯が進行してしまっている可能性もあります。
また、神経が死んだ歯を放置してしまうと、その影響は歯を支えている骨にまで及び、骨を溶かすこともあります。
早めの歯医者受診をおすすめします。
「歯が厚く硬くなった歯の虫歯」
健康な歯は、年齢を重ねると神経の入っている部屋の壁が厚くなっていきます。
また、虫歯になった場合も虫歯から歯の神経を守ろうと、神経の入っている部屋の壁が厚くなっていきます。
神経の入っている部屋の壁の厚みが増すと、神経が痛みを察知しにくくなります。
壁が厚くなった歯は、以前痛みを感じていた深さの虫歯では痛みを感じにくくなります。
結果として虫歯がかなり進行してから痛みが出る、ということが起こります。
「以前神経の治療をした歯の虫歯」
神経の生きている歯は、虫歯が神経に近づけば痛みがあり、
神経が細菌感染すれば、何もしなくてもズキズキ痛むこともあります。
この「痛み」は身体のSOSなのですが
一度神経が細菌感染した場合、必要に応じて神経を取る治療を行います。
この治療を受けた後の歯は、虫歯の痛みを感じることができません。
例えば、神経のない歯のかぶせ物と、ご自身の歯の境目などに虫歯ができた場合
思いもよらない大きさの虫歯に進行しているケースがあります。
この場合は抜歯が必要になるような場合も多く、
その後の治療が大掛かりになりやすいケースが多く存在します。
痛みのない虫歯は要注意
いくつかの具体例をお話ししましたが
このように、「痛みが無くても虫歯がある」というお口の状態は決して珍しいことではありません。
問題は「虫歯は放置しても治らない」ということです。
虫歯になった場合は、早く見つけて早く治す「早期発見、早期治療」ということがとても大切です。
痛くなる前のケアでお口を健康に
昨今「予防歯科」という言葉を耳にする機会も増えました。
これは、虫歯など歯に問題が起こってから治療を行うのではなく、
問題が起きる前の予防を大切にして、歯を健康に保つための考え方です。
正直なところ「歯が痛くなってから歯医者にいく」という方はとても多いです。
ただ、歯は一度失うと元の状態には戻りません。
「歯が痛くなったから歯医者へ行く」よりも、
「定期的に歯医者で検診やクリーニングを受けて、治療は最低限」
意識的に予防を心がけていただいた方が、将来的に歯を失う可能性も低くなります。
お口の健康を守るための方法の一つが、定期健診です。
お口の状態を定期的に歯科医院で確認することで、
虫歯や歯周病を含めたお口の不具合の「早期発見、早期治療」に繋がります。
定期健診以外でも、お口の中で少しでも気になる変化があれば、早めに歯科医院へご相談ください。
監修:阿部響子
自由が丘の歯医者 セルサスデンタルクリニック東京
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